職場の雰囲気

「教える」から「気づける」文化を

こんにちは!日頃経験したことをよく深堀りする癖のある管理人です。

今回は、仕事をしていて上司や先輩から受ける指導について記載します。必ずしも正しいというわけではありません。ですが、指導する側、指導を受ける側、それぞれが持っているとスムーズにいく考え方だと思いましたので、参考にしてほしいと思っています。

気づきタイミングは人それぞれ

「こんなこともわからないのか?」「今まで何をやっていたんだ?」と上司や先輩から言われたことがある方は多いかと思います。けれども、仕事でわからないことは沢山ありますし、こんな上司・先輩だと仕事のモチベーションも維持しづらいですよね。

「わからないのか?」と言われても、精一杯務めている方からすると答えようがないですよね。努力した結果、業務を覚えていないと解釈されるのはかなり傷つきます。僕も「ちゃんとメモはとってる?」って言われたことがあります。苦笑

このようなケースは、立場が大きく関係していると思うようになりました。

フォーカシング

「体験過程」を通して悩みを抱えた人への心理療法技法の1つにフォーカシングがあります。これは、ジェンドリン(Gendlin,E.T.)が考案しました。人間が何かを見聞きしたときに湧き上がる「感情」。さらに特定状況(わからない、モヤモヤするなど)これをフェルトセンス(felt sense)と言います。

フェルトセンスを具体的にしていくと「これだ!」と気づきがあるようです。モヤモヤした感覚から、気づきまでの変化を推進(carrying formard)といい、気づいた感覚をフェルトシフト(felt shift)といいます。

臨床現場では、悩みの答えはクライアント自身がすでに持っているといわれていて、心理士はできる限りヒントを与えて、気づいてもらうよう促すようです。つまり、正解を教えるのではなく、自ら気づけるように仕向けるのです。

臨床現場でたとえましたが、これは職場でも変わりません。なぜなら、悩んでいるのは人(働く人)だからです。解決への糸口は、臨床現場も職場も根本的には同じです。

そもそも人は自分で発見していくもの

学校の授業を思い返しましょう。先生から60分間教わるもの全てを、脳内整理できたという方は少ないでしょう。そもそも人間は、教えを受けても、気づくかどうかはその人次第。言い換えると、気づけない段階のうちに何を言っても理解できないのです。

たとえるなら「日本語を知らない人に、日本語で説明する」ことと似ています。言葉の壁が理解を妨げてしまいますよね。ジェスターを通してなんとなくのイメージを伝えることは可能ですが、具体的な説明を理解してもらえることはありません。

これは仕事で上司や先輩から教えを受けた時にも同じことが言えます。

その時、改善策を教えられても、言葉の意味が理解できなかったり、自分がそれまでの知識を持っていなかったりする場合は聞いても具体的な理解に繋がりません。また、自分の成長段階からほと遠いことを伝えられても、理解に時間をかけてしまうのは言うまでもありません。

気づきを与える環境を作れるかがカギ

「教えることに壁があるならどうやって伝えればいいんだ?」と、記事を読みながら思う方もいるはずです。部下の立場から言わせてもらうと、教えることがインプットではないと断言しておきます。

それよりも、自分が何をしているのか、どんな目的で業務を進めてるのかを「自分で気づける環境」が大事です。どんない質の良い講義でも学びは人それぞれ。仕事内容を教えても、すぐに気づいてもらえるかを期待しないほうが良いのです。

職場の環境が経営方針を気づける場合なら、部下も理解したうえで気持ちよく業務に着手できるはずです。「あれほど教えたから」「わかったような顔をしていた」と、思っても、本当に理解したかは部下の働きぶりをみることでしかわかりません。

僕は、教えることで小さな期待が生まれるのだと考えています。その小さな期待が「そんなこともできないのか?」「何度も教えているだろう!」と態度に表れているのだと思います。このような社風では、入社した企業側から見放されているのとなんら変わりません。

真似て覚える

今回の記事内容を父に聞いたところ、作業内容はみて覚えるようにしているそうです。ハッキリと作業内容を教えず、働いている姿をみながら腹落ちさせていく…。部下にはこのように教えているようです。

多少投げやりな部分もありますが、身体を動かす仕事は相手の行動をみて何をしているのかを考えるので、事務職と異なり自分から気づくことがたくさんできると思いました。

生産性を高める

部下が仕事を覚えると、部下自身も仕事がしやすくなり、メンバー間の共有もしやすくなります。結果的に仕事が楽しくなり、積極的に業務するでしょう。その根底には自分の気づきが含まれます。そのため、職場環境をよくしていくには、「教える」から「自分で気づける」環境を整えていくことが望ましいといえます。

もし、部下に上手に教えられないと悩んでいる方や上司や先輩からオーバーキルされるような指摘を受けている場合は、一度職場環境を確認してみましょう。マニュアルは整備されているか、メンターは存在しているかなど、職場の環境を気づきの多い環境にすることで、人材育成もしやすくなり、生産性を高められるでしょうね。